
満月の次の日を十六夜という。
十六夜を調べてみると、「ためらう」「躊躇する」意味の動詞「いざよう」の連用形が名詞化した語で陰暦16日の月の出は15日の満月に比べてやや遅いことから、月がためらっていると見立てたものであるという。
昔の人の感性はすばらしいです。
「幻想的な月の光を浴びながらいにしえの武雄路をゆっくりゆっくり走ってみませんか」この言葉につられ、スタートAM3:00という時間にいざよいながらも参加してしまうのです。
今回の十六夜駄マラニックは20キロなので数日前から、2周してしまおうか悩んでいた。
駄マラニックは100キロでも本番前に50キロ走って参加する人もいる。
そんな超人達に比べてスケールの小さい真似をしてみようかと悩んでいた。
当日、仕事を終え19時。体調は良い。どうせ寝れない。走ることをこの時決め、22時半に家を出た。
23時10分武雄市役所に車を止め走り始めた。
道を間違わないように矢印を探しながらゆっくり走る。
月の光を感じながらゆっくり走る。
誰か同じように走っていないかと少し期待しながら走る。
結局誰もいない一人旅。
久し振りに涼しくていくらでも走れる気がした。
主催者のあみりんさんと工事中の所ですれ違ったようだが、その時は良くわからなかった。
途中エイドを発見し、本番でいなり寿司を食べる自分を想像し、横目で見ながら走る。
コンビニでサンドウィッチを買い走る。
午前1時35分スタート地点に戻った。すごく走り易いコースだった。
そのまま受け付けを済ませ車で休憩。
午前2時45分、開会式が始まる。今回は70名前後の参加。
今度は集団で走る楽しさ。
前周より早いペースだけど皆が同じ雲に乗って連れて行ってくれているような不思議な感覚。
あっという間にエイドに着く。
1周目からの楽しみだったいなり寿司を食べる。
皆、美味しいって言ってたけど本当に美味しい。
マラソン大会ではそんなに食べれないけど駄マラニックではいくらでも食べられる気がする。
最近たまたまテレビでやっていた旅RUNガールというのをyoutubeで見たが、あんなにおしゃれではないが、路線は似てるかも知れない。
走る事を競技とせず、走ること自体を楽しみ、また走ることを移動手段として風景、食、出会いを楽しむ。
そんな事を考えながら残り5キロ。今日は体の調子がいいのか、スピードを上げたくなる。
これも、走ることを楽しむ要素でもある。
20キロという距離が短い分、皆元気だ。
月は走れと言わんばかりに夜空に光る。
真っ暗で風景が見れない分、走ることに集中してしまう状況でもある。
知らず知らずスピードを上げていた。
結果予定よりも大分早くゴールしてしまった自分がいた。
2周すればきっとくたくたで、ふらふらで、最後の方でゴールする自分を想像し、これで今日も駄マラーできるなと思っていたけど、月のパワーをもらいすこぶる元気だった。
朝早過ぎて温泉はやっていないので帰ることにした。
2周した分、人より2倍十六夜を楽しみ、フルマラソンの練習になり、いいことばかりの大会だった。
走っている途中エイドや皆の姿を走りながら携帯で撮ったけど、ヘッドランプや懐中電灯の光しか写っていなかった。
家の前まで来てうっすらと夜が明け、景色も見え始めたので十六夜を記念に撮り就寝した。

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